夫の不倫による後遺症 ~妻が負う深い傷と、夫婦再生へのハードル~
夫の不倫渦中では、とにかく一刻も早く夫に不倫をやめて欲しい
ひたすら夫の不倫が終結することを祈り、先ずは、夫婦関係修復のスタートラインに立ちたい
とりあえず、夫の不倫が終わればこの苦しみから解放されるそのように思われがちですが、実際は、そうではありません。
夫が不倫を終え、家庭に戻った後も、妻の苦悩は続きます。
夫婦関係修復中は、不倫渦中とは違った苦しみ・葛藤があるのです。
何とか離婚だけは避けたい。別居解消して、また一緒に暮らしたい。一日も早く不倫を終結して、家庭に戻ってほしい。
深刻な夫婦問題を抱えても尚、夫婦関係修復を望む妻ならば、誰もが願うことでしょう。
そして、やっと貴女の願いが叶ったとしたら、どんな気持ちになるでしょうか?
「やっと戻ってきてくれて良かった」
「これで、今までの苦労が報われた」
そんな風に、一時はほっとするかもしれませんね。
悩みの渦中にいると、
「いつになったら、この悩みから解放されるのだろう?」
「いつになったら、ほっと出来るのだろう?」
「贅沢は言わない。ただ普通に暮らしたいだけなのに・・・」
そんな気持ちにもなるものです。
そう考えると、今の夫婦関係は最悪だった状態と比べれば、一歩前進したと言えるでしょう。でも、一時的にはほっと出来たとしても、何だかモヤモヤしたり、まだ気が抜けないそのように感じることも多いのではないでしょうか?
何とか夫を取り戻したいその一心から必死にセーブしていた気持ちそれが、ご主人が貴女の元へ戻ってきた途端にぶり返してしまっていませんか?
「何で、私を裏切っていたの?」
「何で、あんなヒドイ事が出来たの?」
そう何度も、ご主人を問い質してしまったり・・・。貴女の問いに、ご主人がどんな回答をしたとしても、納得出来ない。
「いかなる理由があったにせよ、不倫していいわけないよね?」
そんな正論をぶつけてしまったり、許せない気持ちが拭い去れなくなってしまう・・・。
結局、不倫をされて苦しんだ私だけが、今も尚、苦しみから抜け出せない何ともやるせない気持ちを抱えたまま今の貴女は、そんな心境ではありませんか?
不倫をした側にとっては、一つの恋愛や、遊びを終わらせただけ。
その後は、何事もなかったように、家庭に戻ったり、また新しい恋愛や、人生をスタートさせて行く。
そこに罪の意識はあるのだろうか?彼らは、何も損していないじゃないの・・・。
でも、私は?
夫に裏切られた過去は、消えない。どうしたって、忘れることは出来ない。
私にこんな思いをさせた夫が憎い。不倫女性が憎い。やっぱり許せない・・・。
こんな気持ちを抱えながら、これからどうやって夫との距離を縮めて行けばいいのか?
彼らのように、何事もなかったかのように、
これからの人生を生き、夫婦関係を続けていくなんて、私には出来ない・・・。
不倫をした夫自分を裏切った夫
そんな夫を、この先、どう信じろと言うのか?
信じられるわけないよね?
そもそも、こんな思いまでして、この先の人生を共にする価値が、この人にあるのだろうか?
そんな複雑な思いからご主人との将来に、希望を見出せなくなっていませんか?そして、またいつか夫は、再び別れたいと言いだしたり、不倫をするのではないか?
そんな思いが拭えず、不安でたまらない。
貴女の心がこんな状態に陥ってしまうのは、不倫によってもたらされた後遺症と言えるかもしれませんね。
重度の病に侵されたり、大事故で怪我をし重体に陥れば、無事に生還出来たとしても、後遺症が残ってしまう可能性はゼロではないですよね。
夫の不倫によって、貴女の尊い心は、瀕死の状態に陥ったのです。
身体と同じように、心にも後遺症のような症状が出ても、不思議ではないでしょう。
今は、まるで、貴女の人生にだけ、大きな爆弾を落とされたような心境ではないでしょうか?
一度、焼け野原になってしまった
そんな状態の夫婦関係をどうやって再構築すればいいのか・・・。
かつては、あれだけ夫婦関係修復を望んだのに、いざ、そのスタートラインに立つと、一緒にいても嬉しいと感じられなかったり、却って虚しさが増してしまったそう仰る方は少なくありません。
そして、将来に対しての漠然とした不安や恐れ
絶望感に再び襲われ苦しくなってしまう。
せっかく修復しかけていたのにまた振り出しに戻ってしまったり、
貴女の良からぬ想像通りの悲劇を
自ら招いてしまう。
そんなこともあるのです。
今、貴方が感じているどうしようもない気持ちそれは夫婦関係修復の過程において、避けられないハードルのようなものではないでしょうか?
このハードルをどうしても飛び越える事が出来ず、離婚を選択する場合もあるでしょう。
でも、今までも、何回も高すぎると思えるハードルを越えてきた。
これまでの努力を無駄にしたくない。
出来れば、良からぬ想像通りの悲劇なんて、招きたくない。
今回も、越えられるハードルなら、何とかして越えたい!
貴女が、そう望まれるなら・・・。
とても難しいとは思うのですが、改めて、夫婦に起きた問題は、お互いがこの問題を引き起こしたのだ。そのような視点でも考えてみませんか?
貴女と婚姻関係にあるにもかかわらず、不倫をしたご主人。その点については、いかなる理由があったにせよ、不倫をしたご主人に非があります。
でも、その思いのままご主人を責め続けたとしたら・・・
二人の関係はどうなるでしょうか?
ご主人の心は、いずれまた貴女から離れ、今度こそ修復不可能になってしまうかもしれません。
そうは、分かっていても、責めるのをやめられない。それだけ私を苦しめたんだから、責められるのは当然でしょう。
「本気で修復したい」「償いたい」 その気持ちがあるなら、いくら責められても耐えられるでしょう。
もし、貴女がそう思われるなら、それだけ貴女は、深く傷ついたのだと思います。
「私の夫なら、どうか私が感じた悲しみ・苦しみ・悔しさ・虚しさ・憎しみ・怒り・・・この痛み・絶望を分かってよ!癒してよ!」
私には、そんな貴女の心の叫びが伝わってきます。
貴女の気持ちを、誰よりも理解して、寄り添い、癒して欲しい相手。それはご主人ですよね。
ただ、ご主人にも、心の準備があるでしょうし、自分の気持ちをどう表現すれば良いのか分からないのかもしれません。
「不倫をした自分が悪い」そう思っていたとしても・・・。
いつまでも責め続ける妻の攻撃を、サンドバッグのように受け止め続けてくれる
そんな寛大な夫はなかなかいないのではないでしょうか?
そもそも弱いから不倫をして、現実逃避した夫なのだという事を考えれば、このままの状態が続けば、また貴女から逃げ出そうとするかもしれません。
それは、貴女にとっても、本意ではないでしょう。
不倫を終えて、貴女の元へと戻ったご主人は、どんな気持ちだったでしょうか?
性懲りもなく何度も不倫を繰り返してきたような夫は、あまり深く考えていなかったり、
どこまで罪悪感を感じているのだろうかと疑問に感じる場合もあります。
でも、たいていの不倫夫は、少なからず罪悪感を抱えているものです。
特に、「絶対に離婚する」「二度と戻らない」等と啖呵を切って、別居したり、離婚要求をしていた夫。そんな不倫夫が、妻の元へ戻るということは、かなり無様で、かっこ悪いことだと感じているのではないでしょうか?
それでも、恥を忍んで、貴女の元へ戻るという選択をしたご主人・そんなご主人の気持ちを、もう一度考えてみませんか?
そこには、恐らく、ご主人なりに感じる罪悪感・惨めさ・情けなさがあったことでしょう。
男の美学としては、そのまま貴女の元へは戻らず、一人で生きて行く。そんな選択肢もあったはずです。
でも、貴女のご主人は、どんなに無様でかっこ悪いと思われてもいい。
プライドをかなぐり捨てても、家族の元へ帰りたい。もう一度、貴女と人生を共に歩んで生きたい。
そう思ったから貴女の元へと戻ったのではないでしょうか?そんなご主人の気持ちは、これまで夫婦関係修復を願ってきた貴女の気持ちと同じなのではないでしょうか?
夫の不倫は、妻の心を深く傷つけます。その傷が完全に消え去ることはないかもしれません。それでも、とても辛い思いをしたからこそ、見えたもの、感じたことがあるでしょう。
その一つ一つを大切に生きて行きませんか?
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